わかまつ農園では、農園で収穫した作物を使って「農香シリーズ」という加工品を商品化しています。現在、商品化しているものは「精油」「保湿クリーム」「洗剤」。この3種類です。

農家が作物の栽培だけでなく、加工品まで作っていることを話すと、よく驚かれます。

しかし、私たち「わかまつ農園」にとっては、作物の栽培だけでなく、作物の命をいただいて加工品を作るということは、ごく当たり前の選択でした。

何故なら、わかまつ農園が世の中に提供していきたい価値は「自分にとっての幸せを体現すること」だからです。

「農香シリーズ」の中で一番の人気の商品「甘夏みかん洗剤」。

実は、「甘夏みかん洗剤」は、わかまつ農園が目指す「自分にとっての幸せの体現」がまさに形となった商品なのです。

今日の記事では、「甘夏みかん洗剤」の開発経緯と商品に込めた想いをご紹介したいと思います。

甘夏で洗剤が作れるかもしれない。加工の過程で偶然見つけた商品化のヒントとは!?

玄界灘を望む、自然豊かでのんびりとした糸島半島は、対馬海流の影響を受け温暖な気候です。

わかまつ農園の甘夏みかんは、この糸島半島で育てています。暖かい気候でおいしくなる柑橘系の甘夏みかんは、糸島で栽培するのに好条件。実がシャキッと引き締しまり、深いコクのある果汁が楽しめます。

私たちは、甘夏みかんを農薬や化学肥料を使わない無農薬、有機農法で栽培をしています。

農薬を使っていないので、マーマレードのように皮ごと煮詰めても安心して食べていただけます。

そんな甘夏みかんを「洗剤にしよう!」というアイディアが浮かんだのは、ある2つの出来事が化学反応を起こしたからでした。

《出来事:①》とにかく甘夏の香りが癒される!この癒しの香りをたくさんの人と分かち合いたい

わかまつ農園では、4月からの収穫と同時に甘夏みかんを自分たちの手でアロマ蒸留し、精油を作っています。

蒸留作業では、加工室が甘夏みかんの香りいっぱいで満たされ、果実畑にいるような癒しの空間が広がります。

そして、この癒し空間で加工作業をしているうちに、「この果実の力(香り)をより沢山の人に届けたい!」という思いが、ふつふつと湧いてきたのです。

「もしかしたら精油以外の商品でも何か役に立てるのではないか?」と考え、まずは、甘夏みかんを成分分析に出してみることにしました。

《出来事:②》加工室のシンクが気づいたらピカピカになっていた

甘夏みかんの精油は水蒸気蒸留法で抽出しています。

蒸留作業をしていると、シンクが日に日にピカピカになっていくのに気付きました。特に、念入りに掃除をしているわけでもないのに、綺麗になっていくのです。

その時に思い出しました。友人から聞いた「みかんの皮でシンクをこすったら綺麗になるよ」という話しを。

この瞬間です。

「甘夏を使って洗剤が作れるかもしれない」と頭の中でアイディアが生まれたのです。

綺麗になっていくシンクの謎。それは「リモネン」の仕業でした。

成分分析の結果、「リモネン」という成分が甘夏の80%を占めることが分かりました。

リモネンとは柑橘系の果皮に含まれる精油成分で、スッキリとした香りが特徴的です。

そして、リモネンの香りには、血流促進作用や緊張を和らげる鎮静作用、空気中の殺菌作用があると言われています。また、リモネンは油によくなじむ親油性の物質であることが分かりました。

汚れの成分は主に油なので、リモネンは汚れと大変なじむことが証明されたのです。

日増しにキレイになるシンクは、やはり甘夏みかんの皮の成分「リモネン」が関係していたのです。

「身近な人を幸せに」×「地球環境に優しく」=わかまつ農園の幸せ

甘夏に含まれる成分の力で、シンクが綺麗になるということがわかっても、わかまつ農園のポリシーに合わないものは、私は世の中に提供したくないのです。

甘夏みかんを使って洗剤を商品化するにあたり、背中を押してくれたのが、この2つの価値観でした。

「身近な人を幸せに」×「地球環境に優しく」。

市販の洗剤では手荒れをしてしまう妻の存在

私の妻は、市販の石油系洗剤では手が荒れてしまいます。そこで肌に優しいと言われている洗剤に変えると、今度は汚れがキレイに落ちづらい…。

リモネンの効能を知った私は「自然由来のリモネンを使えば、手荒れで悩む多くの人やしっかり汚れを落としたい人、さらには子どもたちの未来へ資源を繋げていきたい人の期待に添える洗剤になるのでは?」と考えました。

一番身近な存在である妻の悩みから、甘夏みかんの洗剤を作る意義を見出したのです。

環境にやさしい・肌にやさしい・お財布にやさしい。この全てが実現できると確信!

洗剤は立場によって色々な価値観があります。調べれば調べるほど、人の価値観と同様、さまざまな見解があります。

その中でも合成洗剤は石油系と植物性の二種類あり、わかまつ農園の洗剤はPRTR法にも該当しない植物由来の成分を使用しています。

安心、安全、機能性は当たり前の前提と考え、さらに次に挙げる3点が実現できる洗剤にこだわりました。

① 環境にやさしい

石油系の洗剤は安価で洗浄力は高いものの、排水後微生物によって分解されるのに時間がかかったり、環境中では分解されにくかったりという欠点をもっています。

植物由来の洗剤であれば、生分解性(物質が微生物によって分解される性質であること)され、地球に優しいのです。
また石油という地下資源はいつか枯渇すると考えています。地下資源に頼らない洗剤という点でも植物由来にこだわりました。

② 肌にやさしい

自然由来の低刺激な成分で作っています。

たとえば、殺菌にオリーブの葉を、防腐のためにヤシ油とヒマシ油を使いました。香料は自家製の甘夏精油(リモネン)です。

小さなお子さんや赤ちゃんにも安心してお使いいただけます。

③ お財布にやさしい

毎日の暮らしの中で使い続けるものなので、なるべくコストを抑えられるよう考案しました。食器洗いの時は20倍(標準使用量)に希釈して使えるようになっています。

この3つの条件を満たし、かつ洗剤として効果の高い商品を作るのは、思った以上の難易度でした。

それでも妥協したものを世に出したくなかったので、幾度となく、試作を重ねました。

その時の試作に飽きることなく最後まで付き合ってくださった企業様のおかげで、およそ1年の年月を経て「甘夏みかん洗剤」が完成しました。

現在もその時にご協力くださった企業様の工場で、万全の品質管理体制のもと「甘夏みかん洗剤」は製造されています。

確信をして、甘夏みかん洗剤の商品化を最終的に決断しました。

《製造の工程》

<清潔な工場で作られています>

<充填作業>

<人の目で丁寧に検査されます>

<圧縮空気で微量な埃も払います>

<シュリンク包装します>

<完成した甘夏みかん洗剤>

「幸せ基準」でつくると作った私たちも使ってくれた人たちも幸せになれる♪

完成した「甘夏みかん洗剤」は、実際に使ってみると期待以上の効果でした。

まず、妻の手荒れがみるみるうちに改善。うれしいことに手荒れに悩んでいた妻の手は、冬でも手荒れ知らずになりました。(保湿クリームも使っています。その記事はまた後ほど書いていきたいと思います)。

また、洗剤を使った方たちからの反響もたくさんいただきました。

その中の一部をご紹介させていただきます。

「植物由来の洗剤なのに油汚れがしっかり落ち、泡切れもよくて驚きました!!」
「一見高いのかと思ったけれど、希釈して使うので実はとってもお得ですね。」
「水を扱う仕事で手荒れをしていたけど、手荒れが良くなりました!」
「家じゅうの洗剤がこれ一本に。洗剤をいくつも買う必要がなくなってゴミも減り、無駄がなくなりました」

このような感想が寄せられています。

そして、ありがたいことに多くの方がリピートして使い続けていただいております。

農園の香りと想いがたっぷり詰まった「甘夏みかん洗剤」。効果を実感してみてください。

「甘夏みかんの果実の力(香り)を精油以外の商品でも何か役に立てるのではないか」。

そんな思いから開発をはじめ、それが「洗剤」という形で商品になりました。自分たちの手で蒸留した甘夏みかん精油が入っているので、まるで農園にいるかのような香りを楽しんでいただけます。

わかまつ農園の思いがたっぷり詰まった「甘夏みかん洗剤」。ぜひ一度使って、その効果を実感してみてください。